今回は「七情」、つまり七つの感情について。
中医学では、人間には大きく分けて以下の感情があるとされています。
①怒り
②喜び
③思い悩む(うーん・・・と思考が停止した状態)
④悲しみ
⑤憂い
⑥恐れ
⑦驚き
また、以下の臓器と深く関係しているとされています。
①の怒りは肝
②の喜びは心
③思い悩むは脾
④⑤の悲しみ、憂いはともに肺
⑥⑦の恐れ、驚きはともに腎
この感情とやらに、私たちは振り回されることもしばしば。
なので、巷には「感情をいかにコントロールするか」系の本があふれてますよね。
でも
感情ってコントロールできないんです !
ガガーン( ゚Д゚)!!
なぜかというと、中医学ではこのように捉えます。
感情はカラダという入れ物(空のものでカラダと発音)を通して感じていますよね。
そしてただの入れ物ではなく様々な感知器がついています。
これは「五感」というセンサーです。
目で見て感動したり、見たくないものを見てイヤな気分になったり
耳で聞いてリラックスできたり、悪口に反応したり
鼻で花のかぐわしい香りで癒されたり、腐った臭いでゲンナリしたり
また人間で存在するためには、カラダという入れ物に入るのは必須条件です。
入れ物を抜けた状態が「死」ですからね。
死んでしまえば食べられない、つまり五感が使えない状態。
よって感情の起伏がないといえます。
なので
感情は「生きている人間であるが故」のもの。
よって、抑えることは出来ないんですね。
でも、ある方法を使えば「ま、いっか」と感情の整理がつくんです。
そうです、整理です。コントロールではありません。
「方法」というよりは、物事の見方、解釈を変えるといったほうが分かりやすいかもしれません。
それには、陰陽の法則がかかせないんです。
冒頭にあったマーク。
「陰陽太極図」ですね。
この図が表しているものは、私たちの住む物質界はすべて陰陽、つまり表裏一体であるということです。
ネガティブもポジティブも私たちの感情や解釈で勝手に作り出している世界で、起こっている事象はすべて中立、ニュートラルでしかないんです。
「陰気な人、陽気な人」として日本語で表現されるように、一般的には
「陰はネガティブ」
「陽はポジティブ」
とされています。
ネガティブ思考=悪い
ポジティブ思考=良い
でも、果たしてそうでしょうか?
良いも悪いもないですよね。
大切なのは、起こったことに対して必要以上に意味づけするのではなく、中立に捉える。
ネガティブを充分に味わったら、同じようにポジティブも味わって、ニュートラルに感情を戻していくということです。
この場合の味わうというのは、感情を押し殺さないということ。
泣きたい時は泣く
悲しい時は悲しむ
感情を思いっきり出してしまっていいんですよ。
++++ ++++ ++++
では、具体的にはどのように捉えればいいんでしょうか。
願わないことが起こってしまった編:
「会社をリストラされた」
ネガティブ→
お金がなくなる
安定した生活ができなくなる
世間体が気になる
生活が今までどおりできなくなる
変化に対する恐れですね。
ポジティブ→
時間ができたので、人生についてゆっくり考えてみよう
旅行にでも行くか
起業でもしてみるか
新しい業種に転職してみるか
変化を肯定的に捉えるということですね。
次は感情編:
「会社に口うるさい人がいて、イライラする」
ネガティブ→
なんでこんなに細かいのよ、どーでもいいじゃない?
そんなにいうなら、自分ですりゃいいのよ!
仕事が進まない、やることいっぱいなのに 怒。
ポジティブ→
入社当時に比べて、細かいことに気づけるようになった
自分でするしかないから、責任感が強くなった
おかげで仕事の処理能力が上がった。これは転職の際、有利かも
このように、様々な解釈ができます。
すべての物ごとは必ずメリット、デメリットとセットになっているということに気づけるはずです。
読者のみなさんも一時的にネガティブなことが起こったようにみえて、後から振り返ると「あれがあったからこそ・・・」と思ったことがあるのではないでしょうか。
でも、そうはいうけど・・・やっぱり感情がポジティブに偏りやすい ⤵︎
そんな人は、アウトプットしてみることをおススメします。
「徹底的に紙に書き出し、物ごとや感情を中立的に捉える」ということです。
具体的なやり方:
①ノートの一番上に「みなさんのイヤな出来事、イヤな感情」を1つ書きます。
②その下の真ん中に線を縦に引き、左にネガティブ(デメリット)、右にポジティブ(メリット)と書きます。
あとは、ひたすら書き出します。
そうすると
あれ、けっこうよかったかも
あれもこれも、できるようになったかも
そっか、勝手に思い込んでいた
このように気づくはずです。
慣れてくれば紙に書き出さなくても、日常の中で感情を中立で捉え、気にならなくなります。
これを心理学的観点から世界中に広めている第一人者がDr.ジョン・ディマティーニのディマティーニメソッドです。
私も陰陽の捉え方を体得してから、かなり感情がクリアになることができました。
最近はポジティブなことが起きてもポジティブに偏りすぎないよう、ネガティブなことも同時に考え、中立に捉えるようにしています。
え、なんで?と思われそうですね 笑。
こうしておくと、感情の振り幅が少なくなり、日常が穏やかに過ごせるんです。
これは引き寄せの法則にはかかせません。
常に心の内側が小さくワクワクしている状態を保てるということですからね。
一見良いことのように思える「喜び」の感情も過剰になりすぎると、その反動が「うつ」として表れるという研究結果も出ているそうです。
例えば重い「産後うつ」になる人は「産前そう」、つまり妊娠を喜びすぎている人がなる確率が圧倒的に多いそうです。
出産後、喜びすぎて思い描いていた理想とはかけ離れた育児によるギャップ。
その反動が「うつ」を発生してしまうようです。
ではでは。
次回は読者の方から質問いただきました「アロマテラピーやハーブなど、香りのよいものを嗅ぐとなぜスッキリするのか」です。
今日も読んでいただき、ありがとうございます♡