こんにちは、Ryokoです。
いや〜、久々にやられた、
いい意味で。
今日は
岩井俊二監督の映画 リップヴァンウィンクルの花嫁
人とは、善悪とは、そして生きるとはという普遍的なテーマを陰陽で表した作品です。
約3時間という長さをまったく感じさせない、
さすが!岩井俊二作品☆
2016年の映画なので、何を今更と思われる
かもしれませんが監督が帰国されているの
知りませんでしたの・・・。
12年ぶりの国内作品は、やはり色褪せない
圧倒的な岩井俊二ワールドに惹き込まれ・・・
あ、”リップヴァンウィンクル”とは西洋版
”浦島 太郎”のような童話のことだそうです。
そう、この映画には現実なのか夢なのか、
荘子の”胡蝶の夢”が散りばめられているんです。
※夢の中で胡蝶(蝶)としてひらひらと
飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は
蝶になった夢をみていたのか、それとも今の
自分は蝶が見ている夢なのかという説話である。
そして、
岩井ワールドには必ずといっていいほど登場
する、善人なのか悪人なのかよく分からない
人物。
これって人の本質だと思うんです、誰しもが
自身の中に混在している天使と悪魔、光と影・・・
この世界は陰陽、そして中庸の3次元。だから圧倒的な善人は圧倒的な悪人でもある。圧倒的な光に照らされている人は、同時に圧倒的な暗闇にもいる
今回は私の独断と偏見で陰陽、善悪という観点
で映画をさらっと、ネタバレしない程度に
ご紹介したいと思います。
主人公の七海(黒木 華)は
そつのない人並みの人生、
人並みの幸せ、世間体で生きてきました。
ネットで買い物するように、
出会い系で手に入れた彼氏と
あっさり結婚。
これからもずっと、
人並みが続くと思っていた・・・
ある日、やはり人並な結婚式をするため、
何でも屋の安室行桝(綾野剛)に依頼、
ある偽造をした事から、人生は思わぬ方向へ。
この安室こそが物語の”キモ”です。
ね、名前が
「アムロいきまーす!」なんです。
こういう夢なのか現実なのかがちょこちょこ出てきます 笑。
予期せぬ訪問者により、夫への不信感が募り、
また安室に頼むことに。
ピンチの時に助けてもらい、すっかり信用した七海。
ところが、あっさりと手に入れた人並みの生活はいとも簡単に崩れ去ることに。またまた安室を頼ることになります。
どんどん夢なのか現実なのか分からない、胡蝶の夢に迷い込んだ七海。
ところが、人並み外れた”嘘の世界”は、とても居心地のよい世界だったのです・・・。
この映画、キャスティングがすごいんです!
偽造結婚の詐欺師が紀里谷監督だったり☆
めっちゃ似合ってるし(^ ^)
野田洋次郎さんもひょっこり出ています。
元・AV女優の夏目ナナさんや
ちょっと前にご活躍されたなつかしのAV女優さん達。
世間的にタブーとされている世界で生きている人たちの”善”。
生(性)と死をかけている世界観。
嘘から始まった家族。
世間的なタブーから生まれた”幸せな一家団らん”。
これまた安室を通じて知り合ったましろ(Cocco)。友達がほしいというが、いったい何者なのか・・・?
ましろの秘密を知るも心を開いていき、
このまま穏やかな夢が続くかに思われたが・・・
この真白の実家でのシーンがやばい!
まったくもってセリフやシーンと対極の
”G線状のアリア”がバックに流れるあたりは、
さすがの岩井マジック!!
もうもう、涙が止まらなかった☆
タブーの世界に行った人を許せない。
だけど許さずにはいられない感情の揺さぶり。
綾野剛の善人と悪人がすごいです!
この人以外のキャスティングは考えられない☆
続きはぜひ、観てください!
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ラストがまたいい☆
一気に夢から醒めたような、でも、
まだ夢の続きのような・・・
やはり綾野剛がいい感じで締めくくって
くれました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
コレ、人間の本質だと思うんです。
圧倒的な善人は、圧倒的な悪人だということ。
感情って対極の世界と行き来することにより、
揺さぶられるんです。
それは振り子のように、
シーソーのように、
陰陽対極図のように。
どっちにも揺さぶられたら、次に来るのが
ド真ん中の中庸。最後はもう、どっちでも
いいよになる。
だからやっぱり、
善も悪も、
光も影も、
直視するしかない。
感じきるしかない。
影の中にある光
光の中にある影
これが心の目で見えるようになること。
それが”生きる”ということなのかもしれない。
★ブルームRyoko★